第4回 イラストレーターから学ぶメイクポイント

プロのイラストレーターから学ぶメイクポイント

コスプレイヤーズアーカイブとコスメブランドのCOSCOSがタッグを組んでお送りしているコスメイクのお悩み解決のための特集コンテンツ。
第4回となる今回は「イラストレーターから学ぶメイクポイント」と題して、「刀剣乱舞・次郎太刀」などのイラストレーターとして活躍するトミダトモミさんをお招きし、スペシャルなインタビューをご用意しました。

コスプレイヤーにとって大きな目標は、「2次元キャラクターのような顔になること」ではないでしょうか?しかし、平面の世界で美しく描かれたキャラクターを、人の顔で表現することは難しいですよね。
イラストを隅々まで凝視してコスプレメイクの参考にするも、細かい部分の描かれ方がわからず心が折れることも……!

そこで、"イラストを描いた本人の前でアドバイスをいただきながら本気メイクを実践しちゃおう!"という今回の企画。トミダさんには今回の企画のために特別イラストを描いていただいたので、モデルさんをトミダさんオリジナルキャラクターの姿に変身させちゃいます!
コスプレで変身する工程と共に、イラストを描く手順や裏話、コスプレメイクでも実践できるテクニックをご紹介していきます。

企画のために描いていただいたキャラクターはこちら!

企画ご協力いただいたモデルさんはこの方!

肌のベースをキャンパス化する

――肌の色はどのような手順で塗っていますか?
トミダさん:
イラストの色を塗るときはまず最初に肌のベースとなる色を塗ります。そこに影となる色や光が当たる位置にハイライトを塗り重ね、立体感を作っていきます。その辺りはメイクの工程と似ているかもしれませんね。
影だけで3枚ほどのレイヤーを作りますが、メインで使用した一色の透明度を変化させて影として重ねています。一方で、暗い色から明るい色を重ねていくという油彩系の方法もあったりして、イラストは塗り方の手順で絵のタッチや仕上がりが変化するので、描きたいものに合った塗り方を選んでいます。

メイクSTEP@
イラストのような色白系のベースを目指して作っていきます。
@肌の赤味を抑えるグリーン系の下地を顔全体に塗り広げます。
A男装向けの明るいカラーであるCOSCOS HDファンデーションM02を、筆かスポンジを使って肌の上にのせるように塗り広げます。
http://www.liberta.net/lb/ITEM/02213060/

肌の色味を変化させる

――キャラクターの肌色は、髪色とのバランスで変えたりしますか?
コスプレでは同じウィッグを使っても、人によって肌色の印象が変わって見えることがあるんです……。

トミダさん:
イラストでは髪色に関わらず、決まった肌色を使っていますね。
ベースに使う肌色は大体、色白、普通、色黒という3つほどの色パターンを決めていて、重ねる影の濃度などで顔色を調整していますので、ベースの色は変化させません。
イラストのお仕事はオーダーの時点で肌の色や髪色などおおまかなキャラクター情報を指定されるので、条件に合わせて自身で設定している配色パターンを組み合わせていくことが多いです。
――なるほど。下準備をしっかりされているのでお仕事が早いんですね。
トミダさん:
そうかもしれないですね。私は筆が早い方だと思いますし、それを売りにしている面もあります(笑)

メイクSTEPA
@縦長の輪郭を演出するため、シェーディングとしてCOSCOS HDファンデーションBR01を鼻筋の影とアゴのラインにのせます。
Aスポンジで境界線を馴染ませます。
Bオールインワンタイプのファンデーションを筆を使い顔全体に薄く広げます。
Cイラストのような透明感のある肌作りために、寒色系やラメ入りのパウダーでおさえて仕上げます。
http://lohaco.jp/product/1943048
http://www.liberta.net/ITEM/02213040

鼻の形

――トミダさんの描かれるキャラクターのお鼻はとても綺麗ですよね。今回はどういった系統のお鼻を意識されましたか?
トミダさん:
しっかり鼻筋や鼻の穴まで描き、線画の上に肌色を重ねています。線画の上に色をかぶせるとグラデーション効果で線が馴染む気がします。これくらいの幼い顔立ちのキャラクターだと、目と鼻を結んだ形が正三角形のバランスになるように意識しました。それから丸っこい幼めの鼻の形を意識しましたね。
――だからこそ鼻の穴が描かれているのに目立たず美しいんですね!
トミダさん:
これは裏話ですが、最近の絵柄トレンドは"あっさり系"。お鼻もちょこん、と点で描かれているイラストをよく見かけます。絵のお仕事では「アプリの容量制限に引っかからないデータ」を求められる場面が増えていますし、そういった背景が絵柄の流行にも影響しているかもしれません。過去に、何層も重ねたグラデーションが容量の関係で反映されておらずショック、ということもありました(笑)

メイクSTEPB
@キャラクターのような可愛い系の顔立ちを作るために、鼻筋に沿ってハイライト大きな筆でふわっと置きます。
Aさらに、おでこ、目の下、アゴにハイライトをのせてを高く見せることで幼い印象を演出しましょう。

目の描き方

――目を描くとき、描き分けなど気を付けていることはありますか?
トミダさん:
キャラクターごとに目の形は描き分けます。今回のイラストでは「少年らしい大きなつり目」を意識。目は綺麗系と可愛い系で大まかな描き分けを行い、性別やその他の要素を加味して形や位置のバランスを変化させています。

メイクSTEPC
@目の上のカーブが平行になるよう、テーピングで引っ張ります。
Aイラストを参考に、細かい左右のバランスさ吊り上がり具合をチェック。キリッとはしていますが完全に鋭い形はしていないので、大き目のつり目を意識しました。
※詳しいアイメイクの工程はメイクSTEPDから参照
――目の線や形を描く際に気を付けていることはありますか?
トミダさん:
目の線と肌がくっきり分かれてしまわないように意識しています。目の線画には黒を使っているので、こげ茶のレイヤーを線画の上に重ねることで肌色と馴染ませて、自然になるように調整します。
その他のパーツもピシッと線画を描いて上からレイヤーを重ねてぼかすという作業をしています。

メイクSTEPD
@上のラインは目尻をつり上げ気味に。
A 続いて、黒色のアイシャドウを使い、平筆で目尻から3/4の位置に細いラインを引きます。下ラインは、目の細さをカバーしてイラストのような大きな瞳に見せる効果が。シャドウで描くことでリキッドアイライナーを使用するよりも自然に、大きな瞳を演出することができます。
――平面から立体感を生み出す作業の中で、細かい部分の陰影を付けるときに気を付けているポイントなどはありますか?
トミダさん:
イラストでは、広い部分から細かい部分にかけて陰影を付けています。順番は1.顔の広い範囲(ベースの色)、2.フチを描く影、3.細かい部分の複雑な影、4.髪や服の影響で生まれる影(紫っぽい色)となります。
――色塗りの描写や練習などで、参考にした資料はありますか?
トミダさん:
色塗りは独学なのですが、布のひらひらなどはカーテン屋さんのホームページを見たりしますよ。すごいライティングの作り込まれたコスプレ写真を見かけたら、イラストの参考にして描くこともあります。
――それはきっと描かれた本人は大喜びですね。コスプレイヤー冥利に尽きる光栄なことです。

メイクSTEPE
@まぶたのくすみを取るため、細かいパール入りの白系アイシャドウベースを使用します。くすみを軽減して、イラストのようなキラキラの透明感を作っていきましょう。
Aモデルさんは目の位置が少し中心に寄っているので、パーツが外向きに見えるように目尻に向けてアイシャドウを塗ります。カラーはオレンジ系ブラウンを使用。
B下まぶたにハイライトを。目頭から目尻にかけて、パール系の明るいカラーのアイシャドウをのせます。
http://noevirgroup.jp/excel/g/g48760/

目のフチの赤色

――トミダさんの描かれるキャラクターには目の周りに赤色が入っていますよね。
トミダさん:
絵を描くときは大体、白目から目の周辺にかけてうっすら赤色を重ね、透明感や血色を演出しています。使用する赤色は決まった色ですが、キャラクターの肌色に合わせて、色白の子は30%、肌色が濃い子は50%など、透明度を変化させます。
眼球の白目部分には上に白色を重ねるので、内側からじんわり透けるリアルな血色が生まれるようにこだわっています。

メイクSTEPF
@暖色系のオレンジのアイシャドウを、大き目の筆にふんわりと取ります。
A目張りの赤色と自然に繋がるようにグラデーションを作っていきます。目張りしたい位置に広げ、ベースを作るイメージ。
http://www.dena-ec.com/item/240809609

唇・口元の色

――色っぽい唇を描くポイントはありますか?
トミダさん:
私はイラストを描くとき、男性キャラクターにも唇の色を付けています。肌塗りで使用した肌色の濃度を変えて、唇の輪郭や影、艶を描きます。こうすることで、男性キャラクターでも色っぽく見える気がしますね。
黒で描いた口の線画の上からも中央辺りに肌色を重ねて、自然な立体感や透明感を作っています。

メイクSTEPG
@ぽってりした唇を隠すため、唇の色をCOSCOSリップコンシーラーで消して、唇の内側にマットな赤色のリップを塗ります。
A中間色のピンクリップと透明のグロスを使い、外側にぼかしていきましょう。こうすることで本来の輪郭より薄い唇に見せる効果が。
http://www.liberta.net/lb/ITEM/02213001

眉の描き方

――眉毛はキャラクターによって描き分けなどされていますか?
トミダさん:
昔は線だけでスッと描かれた眉毛が主流でしたが、最近の絵柄トレンドは枠線の中を髪色で塗りつぶす"太め眉"ですかね。今回のキャラクターも、髪色に合わせたカラーで太めに眉を描きました。

メイクSTEPH
@モデルさんはしっかり生え揃った眉なので、眉マスカラ+リキッドファンデーションで毛をなでるように塗りつけます。
Aスポンジなどでコンシーラーとの境界線を馴染ませます。
眉や青み消しの際に使うコンシーラーは暗めカラーがおすすめ!明るいカラーは色を消してくれそうに見えますが、実は「含まれる顔料が少ない」ということ。なので、発色が強い暗めの色を選びましょう。
B薄目のブラウンシャドウを平筆にとり、眉を描きます。
イラストの場合は髪色と同じ眉色が一般的ですが、人間の顔にカラー眉を合わせると、色浮きしてしまいます。眉を描くときは顔馴染みがよく、メイクの仕上がりを自然にしてくれる茶色を使い、濃度を調整することでウィッグのカラーと合わせるのがおすすめ。暗いウィッグはこげ茶、明るいウィッグにはライトブラウンという風に使い分けていきます。

目張りの入れ方

――目元に特徴的な目張りが入っていますが、描くときのコツはありますか?
トミダさん:
ポイントとなる濃い赤色は、"実際にメイクしたとき、瞼に丸く赤色を入れたらこうなるかな"という視点で描きました。実際こうなるかはわかりませんが(笑)

メイクSTEPI
@目張りにはポイントカラーの赤を使用。マットな赤いリップでも代用が可能です。お肌との相性によるので、使用に関しては注意してください。
模様は目を開けた状態で描きます。目を閉じたまま描くとふたえに巻き込まれて失敗する可能性があるので、少しずつ塗っていくのがポイント。
A眉頭にも赤色をのせます。
目張りは目の上側を強調するとキツく、目の下側を強調すると優しめの印象に。
http://item.rakuten.co.jp/okadaya1ec2/2372020140027/
http://www.yodobashi.com/ec/product/100000001001657084/index.html

ウィッグと衣装を装着し、コスプレが完成!

初めて目の前で自分のキャラクターがコスプレ化したということで、トミダさんのリアクションもばっちりいただきました。

トミダさんから見たコスプレイヤーとは

――最後に、コスプレイヤーに向けてメッセージをいただけますか。
トミダさん:
コスプレイヤーさんを初めて見たのは「世界コスプレサミット」のイベントでした。絵を描く側の視点として、自分が描いたキャラクターのコスプレをしている人を見かけて嬉しかったです。
皆さんコスプレを楽しまれていて、すごくいいですね。絵を描くことも"楽しむこと"が大切なので、共通する部分があると感じます。そして、コスプレイヤーさんからの愛は作り手にもしっかり伝わってます!
――個人的に、キャラクターに扮したコスプレアイコンでご本人に感想などを送るのは恐縮してしまうのですが、トミダさんはどう感じられますか?
トミダさん:
私は嬉しいですよ!自分のキャラクターのイラストやコスプレのSNSのアイコンを見つけると嬉しい気持ちになります。
同じ絵描きの友達の中では、コスプレを嫌がる人っていないので。版権が絡まないオリジナルの絵を描いている人は"うちの子"として大切にしている方が多いので特にですが、コスプレの直接交渉や報告をしちゃってもいいんじゃないかな?!と思います。
――トミダさん、お忙しいところご協力いただき本当にありがとうございました!

イラストを描く手順に合わせてコスプレメイクの工程をご紹介した今回の企画。イラストを描くという分野では、我々が知らない奥の深い技術がたくさん眠っていました。皆さまにとっても意外な発見はあったでしょうか?
そして、イラストレーターとして第一線で活躍されるトミダトモミさんからの温かいお言葉をいただき、コスプレイヤーの皆さんにとって大きな励みになったのではないでしょうか。
憧れのキャラクターの生みの親である方からコスプレを見ていただけるのは緊張しますが、とても光栄なことですよね。作り手の方が意外とコスプレをチェックしているという事実にはびっくりでした。
今回のコスレク企画でご紹介したメイクテクニックが、皆さんのキャラクター愛を表現するためのお手伝いになれば幸いです。

トミダトモミさん(イラストレーター)
HP:http://migitehidarite.web.fc2.com/
Twitter:@info_tomitomo
トミダトモミさん(イラストレーター)

yurinaさん(ヘアメイク)
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Twitter:@s2_yurina27

雪菜さん(モデル)
Twitter:@ai6567