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コスプレ  【コラム】駄犬の切り貼り実験ノート
【コラム】コスモードの栄光と挫折
2014年9月12日(金) 12時12分配信
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歴代コスモード表紙(の一部)。2004年の7号表紙が、当時まだアニメ化以前の銀魂だったというアグレッシブさ
アイドル気取りやモデル気取りは沢山いるけど、コラムニスト気取りにコラムを書かせたらどうなるか。
きっと、カイブの、終わりの始まり。

歴代コスモード表紙(の一部)。2004年の7号表紙が、当時まだアニメ化以前の銀魂だったというアグレッシブさ


2014年4月。
インフォレスト社の倒産により休刊状態となった「COSMODE」(以下コスモード)。
改めて8月2日、ファミマドットコムより「COSPLAYMODE」(コスプレイモード)として新創刊と相成りました。

まるで水面に揺れる泡のように、現れては、音もなく消えていく、コスプレ雑誌というジャンル。
なのに何故コスモードだけが別格で10年以上も愛されて続けたの?そもそもコスプレ雑誌とはどんな変遷を辿ったの?少しばかり、ちょっと長めに3ページ、お時間を頂きます。


■そもそもコスプレ雑誌っていつ頃からあるの?
コスモードは、2002年に「COSMO」という誌名で創刊された、史上初の“コスプレイヤー向け”コスプレ専門誌です。
いえ、それ以前にもいわゆるコスプレ雑誌や写真集の類はあったのですが。

1980年代から「月刊OUT」「ファンロード」などでコミケの度にコスプレ写真の投稿や取材記事が掲載されていましたが、あくまでオタク層の中でのみ流通するものでした。
しかし1990年代…熾烈化したゲームハード次世代機戦争。飛躍的にグラフィックを向上させていったその戦いは、対戦格闘・RPGブーム(後に恋愛シミュレーションブーム)と相まって、キャラと一体化したいというユーザーの欲求を刺激し、旧来のオタク層とゲームファン層が徐々にクロスしていきます。
そんな中、1995年にリイド社のゲーム雑誌「GAME遊2」が他誌との差別化路線の一環として、コスプレイヤーからの投稿写真を積極的に載せた所、非常に反応が大きく、同社はおそらく日本初であろうコスプレ写真集「コスプレ天国」を1,2号発行し、物珍しさから累計5万部のヒットを飛ばします。
(同時期、かのキャロット出版も「コスプレイヤー大集合」という写真集を発売)

この90年代中盤から後半にかけて、コスプレ関連の雑誌や写真集が、熱病の如く発行されていくのですが…さて。どうも長続きしません。
まだまだコスプレがサブカル…というかアングラだった時代。コスプレイヤーだけを対象に雑誌や写真集を作ってもマーケットとしては成立せず、売れる見込みではなかったため、どうしても(ヌードではないですが)露出度の高さや素人物のソフトエロ要素を入れたがってしまい、結局はレイヤー向け雑誌としてもエロ雑誌としても中途半端な存在になってしまいがちで、売れたのも最初だけ。
どの出版社からも3号以上継続して発行された例はありませんでした。
これらコスプレ出版物のブームは90年代末までに鎮火し、一旦の終焉を迎えます。
(かねてより人気者だった漫画家の一本木蛮先生の再席巻や、ルーク&みちるの双子サラとかの新スターも一時期は生みましたが…)

ハダカは無いけど、どことなく風俗雑誌みたいな匂いを放っていた、90年代コスプレ雑誌。画像協力:たかそうゆきき



二匹目のドジョウなんて、だって、どこにも居ないんです。
それでも人は手を伸ばす。だって、なんにも売れないんだもの。
1990年代後半、世紀末…。
どうにもならない平成不況。失われた10年。サブカルチャーの逆襲。同人バブル。
渦中に飲み込まれた若者たちは、大人やマスコミが作った幻想的な幸福のパターンではなく、自分だけの、本当に欲しいもの・大切なもの・楽しいものを探していた…そんな時代だったかもしれません。
そして、少しだけ時は流れて。
21世紀は来た。予測不能なハザードを越えて。
一般社会からは見えない所で密かに増え続けていたコスプレイヤーは、いつの間にか、社会の中に巨大なマーケットを形成するに至っていました。


■革新!コスモード登場
2002年に英知出版より登場したコスモード(COSMO)の革新性は、徹底的に「コスプレイヤー向け」にフォーカスした点です。これはコスプレイヤーを驚かせました。
旧来のコスプレ雑誌にありがちだったエロ要素を排し、あくまでコスプレイヤーが望む、撮影や造型テクニック、イベント/スタジオ情報、そして自分で作れる型紙見本などに注力したのです。
また、巻頭ページに美麗なグラビアを入れつつ、各地イベントにも出張して様々なコスプレイヤーを撮影し、生の姿を取り上げた事も大きいです。ホラ、ストリートファッション誌もそうだけど、自分や友達が載ってる雑誌ってつい買っちゃうでしょ?

いわばコスプレ雑誌というジャンルを、男性向けエロ雑誌のイメージから、女性向けファッション雑誌のイメージに大転換させた訳です。
(なおマイナス面として、初心者でも技術的に底上げされた反面、画一的にみんな同じ顔になってしまった件、あるいはコスプレ=美麗な写真を残す事に偏ってしまい、ゆるく楽しむ事を忘れがちになってしまった…みたいな意見もありますが)
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YUI
51: YUI
ぜひ連載に。

何年か前はレイヤーズvsコスモード
みたいな時代があった気が。
キャスト載せて差別化図ってたけど
既存のキャスト特化誌ほどの訴求性もなく
コス誌として中途半端になったレイヤーズが
次第に衰退したのは印象的。

記事にもあったように
クオリティ重視のコスモードは確かに美しいけど
美しくなきゃ許されない、
敷居高い文化になるのを助長してる。

独占市場に切り込む雑誌、作りたいね。

コメント日時: 2014/10/24 7:23
日向めろん@OWD講習中
50: 日向めろん@OWD講習中
コスモードはコスプレ雑誌のパイオニアだけど、コスプレをファッションとして確立するにはPopteenやSeventeen・ViVi・anan・nonnoなどイマドキ女子が読むようなファッション雑誌にコスプレを参入させて、ストリートコスプレなどの新しい分野への参入が必要だと思う。

コメント日時: 2014/09/19 3:27
ルイ@不動明捜索中
49: ルイ@不動明捜索中
私はコスプレ雑誌読んだことないけど、コスは楽しめました。そういうレイヤーも、けっこういるのかも。
自分は確かにレイヤーだけど、コス雑誌は、なんだかもっと別の世界の人が読んでるイメージ。もし読んでしまったなら、今までみたいなコスはもうできなくなる、というような怖さがあります。
ネットのコス写真は見慣れてますが、紙媒体のコス写真はすごく異様なものに見える気がしなくもありません。

コメント日時: 2014/09/18 15:09
清春@チョコハラ
48: 清春@チョコハラ
なおマイナス面として、初心者でも技術的に底上げされた反面、画一的にみんな同じ顔になってしまった件、あるいはコスプレ=美麗な写真を残す事に偏ってしまい、ゆるく楽しむ事を忘れがちになってしまった…みたいな意見もありますが
本当これね。コスプレには個人ごとの楽しみ方がある筈なのに「これが正しい」的なイメージを新規層に植え付けてしまったと思う。

コメント日時: 2014/09/17 23:41
神崎シンリ
47: 神崎シンリ
このライターさんの書き方好きだなあ・・・w
それにしても時代はどんどん流れているんだなー。ここ一、二年ではじめた方としては過去のことが信じられないくらい。

コメント日時: 2014/09/17 23:14
そらちゃ@祝・すべF実写化
46: そらちゃ@祝・すべF実写化
>自分や友達が載ってる雑誌ってつい買っちゃうでしょ?
自分が載った雑誌は掲載誌として献本を受けるものだと思うのですが。

コメント日時: 2014/09/17 12:37
一条
45: 一条
創刊号のキャッチコピーが「着る・見る・買う」だったのに、3号あたりから型紙がついてきたりと製作に重心が移ってきてよい雑誌でした。

男性は裁縫を習ったことがなく、衣装を型紙から作るにはどうすればいいのか、など右往左往していた時代、指針となる記事がたくさん載っていて重宝しました。

ウィッグも衣装も年々安価になっていますが、自作レ派の指針になるような紙面を期待しています。

コメント日時: 2014/09/16 22:35
上郷シン
44: 上郷シン
幻のCOS-Aの表紙・特集に載せて頂きましたが、まず私のような閲覧数・スターも特に多くないレイヤーをどこで見つけたのか、メッセージ下さった時点で少し不安に思いました。

背景合成がやっつけ仕事だったり、小さいJPEG画像を拡大してしまってモザイクのようになっていたり、メイクさんのするコスプレメイクがやや流行遅れ、表紙のデザインセンスが微妙など…
これでは続かないな、と思ったのが正直な感想でした。

コメント日時: 2014/09/16 11:51
粋啓介
43: 粋啓介
ゲーム遊2、ベテランからすればこっちのほうが懐かしい。昔はネットがなかった分メディア時代で雑誌に載る=有名レイヤーだったな。載っているレイヤーには憧れたものだよ。よく調べてはあるコラムだ。

コラムの内容の感想はみんなと一緒だけどね(笑)

コメント日時: 2014/09/16 5:24
楓
42: 
ファンロードくっそなつかしいwww

コメント日時: 2014/09/15 18:23
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