18日(日)再放送予定。NHKオンライン(http://www.nhk.or.jp/)
1月12日(月)にNHKで放送された「知られざる”コミケ”の世界」という番組が注目され、18日(日)に再放送が決定した。3日間で約60万人を動員する世界最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット87」の現地にNHKスタッフが乗り込み、参加者の生の声を集めて紹介。一般人にもわかりやすく綺麗にまとめられた取材内容が話題を集めた。
プロを目指すオリジナル絵本の製作者や、現役プロ漫画家のレベルアップのための活動、立場や年齢を越えた”現役住職”の参加など、全体的に参加者がいかにイベントを楽しんでいるかにスポットを当てた好意的なもの。”サークル”や”買い手”などの専門的な用語を”お店”と”お客”としてオタク以外の人でも理解しやすい内容に置き換えて紹介するなど、コミケを1つのイベントとして一般人に知ってもらいたいというNHK側の意思を感じた。
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「ハヤテのごとく!」の作者・畑健二郎先生は、商業活動外で同人活動を行っている。 |
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お坊さんもコミケに出展。一般の方はさぞ驚いたのではないだろうか。 |
また、18禁の過激な表現に対して運営がチェックをする様子も放送。スタッフが同人誌をめくり付箋の付いたチェック箇所を厳しく確認していく様子がモザイクで映し出され、他のコミケを取材した番組ではあまりスポットを当てられない部分にも踏み込んだ取材を行っていた。これまで”奇異な集団”として扱われがちだったオタクに関する報道を、”秩序を保つ”という運営側の姿勢に好意的な目を向けながら紹介していた。
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反響が多く寄せられ、再放送が決定。 |
表現の発表の一例としてコスプレも紹介 番組では、”表現の発表の一例”としてコスプレも紹介された。ロックマンのコスプレをしていたコスプレイヤーは、「コミケは最大の発表の場。人に見てもらわなければ意味がない」とコメント。宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長のコスプレをした50代のコスプレイヤーは、「我々を見た人はイカれてると言うが、人間みなオタク」と答え、表現の自由の必要性を訴えた。
インターネットが浸透して、写真や製作した作品を手軽にネット上に公開して反応をもらうことができる時代になった反面、実際にコミケに参加した人は感じたことがあると思うが、コミケ特有の興奮と盛り上がりは現地でしか体験できない不思議な魅力だろう。人が集う場所で成果を見てもらったり直接交流ができる発表の場というコミケの役割の中で、コミケを”コスプレを表現する大舞台”として捉えているコスプレイヤーもいるようだ。
オタクのダークサイド面からの指摘も 視聴者からは、「これは光のコミケだ」という意見もあがった。オタク文化のドロドロした汚い部分を知っている人たちは、優等生のような今回の報道に「オタクの欲深さはこんなもんじゃない」と焦りを覚えたり、これまで偏見の目で虐げられてきた反発心から「そっとしておいてくれ」と感じた人もいるようだ。
番組放送後はTwitterなどで大きな反響を呼び、その反響の大きさが今回の再放送に繋がったようだ。今回の番組では、参加者が純粋にコミケを楽しんでいる様子がダイレクトに伝わる内容だと感じる。初回放送を見逃してしまった人は、 ふたたび番組を視聴できるこの機会に是非チェックしてみてほしい。
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人気漫画家の種村有菜先生は、今回の放送に動揺した様子。オタクに対する偏見に虐げられてきた辛い時代を知っている人の意見かもしれない。 |
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コミケはお目当ての同人誌やグッズを目当てに、ハンターが集まる狩り場でもある、というギラギラした意見も。 |
放送概要 放送日:1月18日(日) ※再放送 放送時間:午前3時〜3時35分(土曜深夜)
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