コスプレイヤーも1度は握ったことがあるであろう、模擬刀を理解しよう。
稽古中、誤って模造刀のようなものが腹部に刺さり33歳の男性が死亡した事故(http://www.asahi.com/articles/ASJ2H6D1DJ2HUTIL04H.html)について、殺陣の経験がある有識者やコスプレイヤーを中心に、刀の扱い方を見直す呼びかけの声が上がっている。使用していた刀が”真剣でない”にも関わらず、人の命を奪ってしまうほどの危険があるという事実は、小道具として刀を手にする機会が多い我々コスプレイヤーにも衝撃を与えた。
今回の事故をきっかけに、コスプレイヤーが刀を小道具として扱うことについて考えてみよう。
事故が起こった経緯 劇団員が殺陣の練習をしている最中に起きた事故。男性は稽古仲間が目を離したすきにうずくまっており、誤って腹部に刀が刺さったことが致命傷となり命を落としたようだ。男性が使用していたのは刃体約73センチの模造刀のようなものとのこと。
一般的に、稽古には軽い竹光や木製の木刀が使用されることが多い。しかし稽古用として使用される亜鉛合金やアルミニウム製の模造刀(模擬刀)は存在するが、法律で材質や強度が定められている。そして”模造刀”とは金属で作られた刀に著しく類似する形のものを言い、観賞用の重いものなどを指す。刃先が斬れないように加工されているとはいえ、突けば危険。重い金属の塊なので、使い方を一歩間違えれば危険なものとなり得る。
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持っている模擬刀の材質や種類を見直してみよう! |
コスプレイヤーの模造刀所有率 『刀剣乱舞』『薄桜鬼』などのブームも手伝い、和装系のコスチュームには必須の小道具とも言える模擬刀。筆者はもちろん、男装・女装両方の趣向を持つコスプレイヤーの友人10人に聞けば9人は所持していると思う。
コスプレイベント等で刀を小道具として所持しているコスプレイヤーの姿はよく見かける。様々な議論はあるのだが、イベントに持ち込んだり撮影で使用する際は、定められたガイドラインに従ったり周囲の人に危害や恐怖を与えない配慮をすれば”正当な理由”なのでOKという見解がほとんどだ。しかし、最近ではコスプレパフォーマンスのブームに合わせ殺陣のパフォーマンスをする人や趣味でレッスンを受ける人が増加しているため、素早く振り回したり剣先が人に向くといった、新たな危険因子が生まれている。
自身の所持する刀が「竹光」なのか、それとも観賞用として作られた「模造刀」なのか、知識が少ないままなんとなく購入してしまったという人も少なくはないだろう。きちんと調べ、どのような用途で使う品物なのかを把握することは大切。筆者も過去撮影に使用したことのある刀を調べてみたところ、観賞用の模造刀だった。
→専門家の方は今回の事故をどう受け止めているのか。
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