[駄犬の切り貼り実験ノート:第27回]
TOKYO MXで2月27日より毎週火曜日22:29から「新機動戦記ガンダムW(ウイング)」が放送開始されています。 「ガンダムW」とは1995年4月から丸一年間、テレビ朝日系列で4クールに渡って放送されたサンライズ制作のTVアニメ作品です。 ガンダムのTV作品としては初代・Z・ZZ・V・Gに続く6作目ですが、前番組の「機動武闘伝Gガンダム」同様、過去の宇宙世紀シリーズとは全く無関係に展開したアナザーガンダム≠ニしては2作目です。
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TOKYO MX特設ページより。アイドルアニメのように見えますがガンダムです。 |
・TOKYO MXページ 【http://s.mxtv.jp/anime/gundam_w/】 >A.C.195年――宇宙コロニーは、武力によって統治下に治めようする地球統一連合に対し、MSガンダムの降下作戦「オペレーション・メテオ」を決行する。ガンダムパイロットのひとり、ヒイロ・ユイの姿を目撃してしまったことから、リリーナ・ドーリアンは、運命の渦に巻き込まれることとなる。
・サンライズによる作品紹介ページ 【http://www.gundam-w.jp】 ・ピクシブ大百科 【https://dic.pixiv.net/a/%E6%96%B0%E6%A9%9F%E5%8B%95%E6%88%A6%E8%A8%98%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0W】
リアルタイム世代にとっては、まさに一時代を築いた超人気作。特に女性ファン人気が沸騰した作品でもありますから、地上波再放送にファンは大いに沸き立っております。 23年ぶりに見返してみようという人や、作品名くらいは知っていてこれを機に初見という方も多いでしょうから、このコラムコーナーとしては9カ月ぶりの更新ながら今回はそんなガンダムWのお話です。
途切れ途切れでも伝わってほしい!「ガンダムW」見どころ
・ガンダムシリーズを知らなくても無問題 過去作との関係が一切ない世界観なので、過去にガンダムに全く触れていない人、特に中高生の女性アニメファンが予備知識なしで見られる内容だったのは大きいです。 当時すでに初代放送開始から16年の月日が流れ、しかも初代のTVシリーズが権利の関係で映像ソフト化できなかった頃なので、宇宙世紀を継承したガンダムは初代を知らない若年層ファンにとってはそろそろ敷居が高くなっていたのでした。
・美形キャラのオンパレード 初代から宇宙世紀シリーズのガンダムには、冴えない中年や無骨な壮年男性がいっぱい出てきてそれが味だったわけですが、「ガンダムW」は老若男女これでもか!ってくらいに麗しくエレガントなキャラが登場します。 実線で描かれたくっきりした表情はセルアニメの魅力の一つ。
・全員どっかオカシイ 主人公のヒイロ自身が工作員として訓練された経歴から人間らしい言動をしない設定なのですが、お嬢様ながら運命に翻弄されて天下国家のために一肌脱いじゃうヒロインのリリーナ嬢やその周辺人物一同ともに、過去のガンダムとはまた違う意味でエキセントリックな言動が多いのです。 ネタとして扱われることも多いのですが、その向こうには新しいガンダム$「界を作ろうとした熱意が見えます。
・ツッコミを振り払う高速ジェットコースター展開 基本的には、地球統一連合からの圧政に苦しむ5つの宇宙コロニーから、地球の政治を牛耳るロームフェラ財団(秘密結社OZ)に破壊工作を仕掛けるため、テロリストとして訓練された5人の少年と5機のガンダムが地球に降り立つ…という内容ですが、とにかく展開が早い。 そしてキャラを立てる・シュチュエーションを盛り上げるためなら強引な展開が連発するので、ツッコミつつ見てても面白い。 有名な「お前を殺す」名シーンだって、よくよく考えたら殺したい相手に予告してるのは不自然ですし、顔を見られた相手を始末するなら同じ学園に転入する必要はありませんが、こういった盛り上げるためのハッタリが実に上手い。 もはや「ツッコミが追い付かない」というより、「ツッコミを振り切って駆け抜ける」作風です。
・ガンダムはじめモビルスーツがカッコイイ まず初代以来続くリアルな兵器=モビルスーツとしてのガンダムと、「Gガンダム」での世界各国を代表するヒーローや悪役マシン=モビルファイターがありました。 「ガンダムW」に登場するガンダム群はその中間イメージに当たるでしょうか。鳥や死神や龍をモチーフとした鮮烈さと、どこかに兵器としての無骨さも併せ持ちます。 個人的に歴代で好きなデザインのガンダムを一台挙げるなら本作のヘビーアームズを挙げます。胸が四角くて戦隊ロボっぽいからです。 OVA版では特に説明もなく天使の翼っぽくデザイン変更されたウイングガンダムゼロカスタムがポーズを決めると、なぜだか宇宙空間に羽が舞い散るという、今でいう中二病くさい演出があります。
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